間違えやすい論点の整理
基本情報技術者/公開 2026-10-15・更新 2026-10-15/執筆:panda studio(このサイトの運営者)
基本情報技術者の問題を解説するなかで、運営者が「似た言葉や式と取り違えやすい」と考えた論点を5つ整理しました。各論点の下に、このサイトで実際に解ける関連問題を付けています。
1. 2進数と2の補数
- nビットの2の補数で表せる整数は −2n−1 〜 2n−1−1 です(8ビットなら −128〜127)。
- 負の数の2の補数は「全ビットを反転して1を足す」で求めます。
- 左に1ビット算術シフトすると2倍になります。10倍は「3ビット左シフト(8倍)した値」に「1ビット左シフト(2倍)した値」を足すと得られます。
運営者の見方:正の範囲の上限が 2n−1−1 と1つ少ないのは、0を正の側に含むためです。ここを丸暗記でなく理由で覚えると、範囲を問う問題で迷いません。
このサイトの関連問題:問題文か選択肢に「2進数」「16進数」「補数」「基数」を含む問題が6問あります(言葉で機械的に拾ったため、論点と直接関係しない問題が含まれることがあります)。
- H29秋 問1数値を2進数で表すレジスタがある。このレジスタに格納されている正の整数xを10倍…
- H29秋 問24次の方式によって求められるチェックデジットを付加した結果はどれか。ここで、データ…
- H30春 問1ある整数値を、負数を2の補数で表現する2進表記法で表すと最下位2ビットは“11”…
- H30秋 問2次に示す手順は、列中の少なくとも一つは1であるビット列が与えられたとき、最も右に…
- H31春 問2最上位をパリティビットとする8ビット符号において、パリティビット以外の下位7ビッ…
2. 稼働率(直列と並列)
- 稼働率 = MTBF ÷(MTBF + MTTR)。MTBFは平均故障間隔、MTTRは平均修復時間です。
- 直列(全部動かないと止まる):稼働率 = A × B
- 並列(どれか1台動けばよい):稼働率 = 1 −(1 − A)×(1 − B)
運営者の見方:並列は「全部が同時に止まる確率」を1から引く、と考えれば式を忘れても組み立て直せます。直列にすると稼働率は必ず下がり、並列にすると必ず上がる、という向きの確認も検算に使えます。
このサイトの関連問題:問題文か選択肢に「稼働率」「MTBF」「MTTR」を含む問題が6問あります(言葉で機械的に拾ったため、論点と直接関係しない問題が含まれることがあります)。
- H29秋 問15MTBFが45時間でMTTRが5時間の装置がある。この装置を二つ直列に接続したシ…
- H30秋 問15東京と福岡を結ぶ実線の回線がある。東京と福岡の間の信頼性を向上させるために、大阪…
- R1秋 問162台の処理装置から成るシステムがある。少なくともいずれか一方が正常に動作すればよ…
- R1秋 問57事業継続計画で用いられる用語であり、インシデントの発生後、次のいずれかの事項まで…
- R6 問4あるシステムの今年度のMTBFは3,000時間、MTTRは1,000時間である。…
3. 正規化とSQL
- 第1正規形:繰り返し項目をなくし、1つの欄に1つの値だけを入れる。
- 第2正規形:主キーの一部だけで決まる項目(部分関数従属)を別の表に分ける。
- 第3正規形:主キー以外の項目で決まる項目(推移的関数従属)を別の表に分ける。
運営者の見方:第2正規形の話は「主キーが複数の列でできているとき」にしか起きません。主キーが1列の表なら、第1正規形を満たした時点で第2正規形も満たしています。この点を知っていると選択肢を早く絞れます。
このサイトの関連問題:問題文か選択肢に「正規形」「SELECT」「主キー」「外部キー」を含む問題が2問あります(言葉で機械的に拾ったため、論点と直接関係しない問題が含まれることがあります)。
4. テスト技法(ブラックボックスとホワイトボックス)
- ブラックボックステスト:プログラムの中身を見ずに、仕様からテストデータを作る。代表は同値分割(入力を同じ扱いになるグループに分ける)と限界値分析(グループの境目の値を使う)。
- ホワイトボックステスト:プログラムの内部の構造を見てテストする。命令網羅・判定条件網羅(分岐網羅)・条件網羅などがある。
運営者の見方:「網羅」と付いたらホワイトボックス、「仕様」「境界」と付いたらブラックボックス、が一番確実な見分け方です。
このサイトの関連問題:問題文か選択肢に「ブラックボックス」「ホワイトボックス」「同値分割」「限界値」「網羅」を含む問題が6問あります(言葉で機械的に拾ったため、論点と直接関係しない問題が含まれることがあります)。
- H30春 問48ブラックボックステストのテストデータの作成方法のうち、最も適切なものはどれか。
- H31春 問47ブラックボックステストに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- H31春 問48ソフトウェアのテストツールの説明のうち、静的テストを支援する静的解析ツールのもの…
- R1秋 問49単一の入り口をもち、入力項目を用いた複数の判断を含むプログラムのテストケースを設…
- R1秋 問58システムテストの監査におけるチェックポイントのうち、最も適切なものはどれか。
5. 公開鍵・秘密鍵・デジタル署名の鍵の使い分け
公開鍵暗号では、鍵の「持ち主」と「使う場面」を分けて覚えると取り違えが減ります。
- 暗号化して送る:送信者は受信者の公開鍵で暗号化し、受信者は自分の秘密鍵で復号します。
- デジタル署名:送信者が自分の秘密鍵で署名し、受信者は送信者の公開鍵で検証します。改ざんの検知と、本人が送ったことの確認に使います。
- 共通鍵暗号:暗号化と復号に同じ鍵を使います。n人が互いに別の鍵でやり取りするには n(n−1)/2 個の鍵が要り、公開鍵暗号なら1人1組(計2n個)で済みます。
運営者の見方:問題文に「誰の」「どちらの」鍵かが必ず書かれているので、選択肢を読む前に「この場面は暗号化か署名か」を先に決めると、似た選択肢に引っ張られにくくなります。
このサイトの関連問題:問題文か選択肢に「公開鍵」「秘密鍵」「共通鍵」「デジタル署名」を含む問題が9問あります(言葉で機械的に拾ったため、論点と直接関係しない問題が含まれることがあります)。
- H29春 問38共通鍵暗号の鍵を見つけ出そうとする、ブルートフォース攻撃に該当するものはどれか。
- H29春 問40公開鍵暗号方式の暗号アルゴリズムはどれか。
- H29秋 問38非常に大きな数の素因数分解が困難なことを利用した公開鍵暗号方式はどれか。
- H30春 問38AさんがBさんの公開鍵で暗号化した電子メールを、BさんとCさんに送信した結果のう…
- H30秋 問38共通鍵暗号方式の特徴はどれか。
出典・参考
この記事の数字は、このサイトに収録している基本情報技術者試験の問題(IPA公開問題。出典は各問題のページに記載)から集計しました。収録の範囲は出典・このサイトについてをご覧ください。内容の誤りはお問い合わせからお知らせください。